チャレンジ報告「富士精機 株式会社」

名 称:富士精機 株式会社
所在地:金沢市いなほ1-11
主業種:製造業
従業員:58名

経過報告 Vol.2(2020年7月)

■管理業務の生産性向上(継続)   

試行期間が終了し本格的に始動。各作業場で作業者がタブレットでバーコード読み取りで作業完了登録するようになったことで、これまで「作業伝票を回収して手打ちで完了打ち込み」していた作業300分/日がなくなった。「現場に確認」をしなくても、リアルタイムで進捗管理ができるようになった。完了登録も極力簡素化したので、現場作業者が伝票に「記入」する手間もなくなり、記入ミス、品番間違いなどの不具合もなくなった。

また、タブレット導入を機に作業伝票とチェックシートを改訂。情物一致が実現し、品質体制強化にもつながった。

■出荷場のフリーロケーションシステム

完成品置き場での各製品ごとのロケーションを廃止。作業者がどこでも棚の空いているところに完成品を置き、バーコードで登録。置いたところがロケーションとなる仕組みが完成した。

効果として

①     各々の製品ごとの置き場を作らなくて良い(今あるものだけの置き場だけで良い)ことになったので出荷スペースを2/3に削減できた。

②     出荷作業者の「探す」「片づける」手間が減った(100分/日)

これらの改善により、管理部の残業が1/2になった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響による働き方の変化や工夫など

1.新型コロナウイルスの影響で検定試験が中止になっており、受験できない。再開したときのためにレベルUPを図りたい。

2.取引先との打合せに、オンライン会議を導入するようになった。

3.在宅での勤務も想定して数人の管理職にはどこでも仕事ができるように「自分のデスク」や「デスクトップ型パソコン」を廃止してノートパソコンを支給しフリーアドレスに。 


経過報告 Vol.1(2019年12月)

取組への思い…

働き方改革を進めるには、生産性を高めることが最も重要と考えている。

そのために人材の育成が重要課題であり、人材確保強化のために会社をアピールし、人材を育成し、会社を強くしたい。
従業員全員で生産性向上の意識と知識を向上させ、全員で生産性向上活動に取り組みたい。

取組内容・経過・効果

■生産知識・技能向上のための教育体制強化
若いメンバを中心に従業員の検定取得意欲が向上している。

前期では生産管理検定2級1名、技能検定では数値制御旋盤2級を4名、金属熱処理2級を2名、平面研削盤作業2級を1名が受験した。(技能検定受験者7名のうち6名合格) 

また生産性向上の指標として各製品の原単位を登録し、加工売上を算出できるようにした。
現在は会社全体と製造部の2パターンでの時間当たりの売上(加工費/総労働時間)をデータとして出して管理できるようになった。

社内でも月に一回、生産性向上の勉強会を開催している。※内容は、改善のやり方、モノの流し方、ムダ排除 など 

■管理業務の生産性向上
タブレット導入が完了。

1か月試行したのち、進捗登録手作業(約300分/日)が廃止される予定。
進捗情報もリアルタイムで見られるようになる。

また物流改善のための出荷場レイアウト変更も完了し、現在試行中。
管理部の残業は1/3減少した。

社内での生産管理勉強会
タブレットによる進捗管理

取組を進める中で感じること・課題

検定を取得しようとするモチベーションが人によって差がある。

管理業務については「その人しかできない」業務がある。
そのため仕事量のばらつきがあり、忙しい人はずっと忙しい。

今後に向けて

■生産知識・技能向上のための教育体制強化
各人のレベル向上意欲を向上させるための仕組み、声掛けであったり、評価制度であったり、の環境を作る必要がある。

■管理業務の生産性向上
管理業務の効率化のためにはIT導入と並行して、それぞれの仕事の「見える化」と「多能工化」を進めないといけない。