育児休業体験レポート5

HYホテルマネジメント株式会社
Gautam Shree Ram さん

初めての子供の出産にあわせて
令和4年7月1日~令和4年8月31日( 62日)取得

育休を取得した理由、きっかけは?

私と妻は共にネパール共和国の出身であり、身近に両親や親せきがおらず、育児に対してのサポートを期待することは難しく、加えて日本語の理解等、異国での育児に大きな不安がありました。初孫の様子を自国の両親、親戚等にも伝えたい思いがありましたが、新型コロナウィルス感染症の影響もあったことから一時帰国することも困難であると考えていました。少し長い休暇があれば、妻だけではなく私も育児に参加し、復職後も円滑に息子の面倒がみられると考え、思い切って育児休暇を取得させて頂きました。

育休の取得にあたり、職場で準備・調整したこと

 私の業務はホテルでの接客業務がメインですが、今年の4月から新規学卒社員が7名配属されました。7名共に業務の呑み込みが早く、また新型コロナウィルス感染症の影響から、ホテルの稼働も高くはない状況が見込まれたため、この状況下のこの人員体制であれば数日休暇を取得できるのではないかと考えました。

上司に相談した所、異国での育児に理解を頂き育児休暇を取得することを快諾頂きました。業務に関しては簡単な引継ぎ資料を作成し、部署内の方に対応頂くようにしました。

育休中の1日の主なスケジュール

6:00 起床、食事の用意
8:00 オムツ交換、掃除、洗濯、育児手伝い
12:00 昼食の用意
13:00 掃除、育児手伝い
14:00 自動車教習所通所
18:00 夕飯等の買い物、夕食の用意
20:00 入浴準備
21:00 自動車学校の復習

育休取得の感想

職種や会社の状況によって育児休暇の取得は簡単に取得する事はまだまだ難しいのではと思います。私が育児休暇を取得できた事は、理解のある上司や会社に恵まれたことが大きいと思います。掃除や洗濯、買い物など、妻の家事の大変さもよくわかりました。子供と過ごす時間が多くあったので、オムツ替えや沐浴、抱っこの仕方などは初めての事でしたが、やはり体力を使うことが多くへとへとになることもありました。何より妻が「休暇をとって二人で初めての育児を出来て本当に助かった」と言ってくれることが、よかったと思っています。

ネパールでの新型コロナウィルス感染症の拡大は落ち着いていましたので、初めて家族で一時帰国することができました。両親や親せきにも子供の顔を見せることができたことも本当に良かったです。

また金沢は車社会なので、悪天候な日の買い物や、これから子供が保育園に通園し始めた時、送迎には自動車は欠かせないと考えていましたのでネパールから帰国後は、自動車教習所へ通所を始めました。技能試験には合格することができましたので、復職後に運転免許試験場で学科試験を受ける予定です。これもまとまった時間が無ければ困難なことでした。今後、家族がさらに増えたときの育児の準備もできたと思っています。

育休の取得を検討中の方へのメッセージ

はじめは日本の会社の育児サポート制度もよくわかりませんでしたので、妊娠を機に色々と調べました。

育児休暇については周りの在日ネパール人の方に教えてもらい、職場の上司、会社の人事の方から男性にも育児休業があることを出産時に案内して頂き、妻とよく相談しました。

職場は2年前に新しく開業したホテルでしたから育児休業の取得は前例がなく、当初は不安が沢山ありましたが、復職後に思い返すと家族にとってはいい面ばかりでした。

育休は出産した女性だけが行うものではなく、子供の親は両親ですから二人して協力することが大切だと思います。実際にとても良い経験を得ることができるので、育児休暇を取りたいと思っている方は、勇気を出して職場に相談して下さい。

勤務先からのコメント

日本で男性社員が育児休暇を取得することは、部署内の業務への影響や各立場等を意識するあまり、まだまだ勇気がいる事だと思います。世界中のハイアットホテルは例外なく「思いやりの心で全ての人の『最高』を導き出す」というパーパスを掲げています。この「全ての人」とは、お客様はもちろん従業員、お取引先のサプライヤー、ホテルのオ一ナー、そして、これらに関わる全員を指します。これら全ての人と良い仕事をするためには、従業員の誰もが互いにダイバーシティ(多様性)、 エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)を尊重し常に満たされた状態でなければなりません。

今回ガウタムさんが金沢のハイアットホテルで初めて男性社員の育児休暇を取得してくれたことは、ホテルのパーパスに適う大きなー歩であり、また快く送り出してくれた同僚や上司にも感謝しています。

10月からは産後パパ育休(出生時育児休業)制度も施行され、男性の育児参加がより身近にイメージしやすいものになると期待しています。配偶者の出産を控えた男性社員には丁寧に案内を行い、さらに取得しやすい雰囲気を社内で高め、男性の育児参加に寛容な会社にしていきたいと考えています。