テレワークの推進
テレワークを活用した働き方や、企業におけるテレワーク導入の経緯・目的、導入後の経過など、テレワークを導入する際の効果や課題についてご紹介します。
プロフィール
須田 暁憲 さん
株式会社 計画情報研究所
研究員
【職務内容】
主に、公共施設や公営住宅に関する、自治体の計画策定支援業務を行っている。
【勤務スケジュール】
週5日 8時間勤務
現在、在宅勤務は週1~2日程度
※2020年4~5月は、週の半分程度が在宅勤務
※出社日、在宅勤務日で一日のタイムスケジュールに大きな差はない
作業場所は時期にもよるが、外勤・内勤の割合としては同じくらい
テレワークのメリットや今後の課題があればお聞かせください
【仕事において】
メリット
仕事における時間意識をより強く持つようになりました。
また、タスク管理を細分化し、特に時間配分を意識してその日にやるべきタスクに取り組むようになりました。
課題
個人や自社だけでなく、取引先等も変わらなければテレワークは進まないことを実感しました。
ただ、自社で実施している方法を取引先に提案し対応してもらった結果、作業の効率化につながったケースもありました。
【生活において】
メリット
テレワークを行うようになって通勤時間がかからなくなったこともメリットとなり、結果として平日に家事を行う時間や家族と食事を取ることが増えました。
課題
作業を時間で区切ったり、家庭内のタイムスケジュールなどもある程度考慮して、自分の中でのオン・オフを切り替えるように工夫が必要でした。
【その他】
子ども(5歳)が登園自粛で家にいる状況下での在宅勤務はかなり大変でした。
同じように机を並べて面倒を見たりと、いろいろ試行錯誤しながら過ごしました。電話の取り次ぎがあった場合など、自分の在宅勤務中に本社で電話対応等をしている方への感謝は忘れてはいけないと感じました。
テレワークを行ってみて感じたことはありますか?
テレワークでは、今までと仕事の進め方を変える必要があることを実感しました。
例えば、今まで紙で出力していた作業も、テレワークのような制約のある環境で作業することで、ペーパーレスへ対応できるようになりましたし、社内ではその場で相談していたことも、相手の状況を確認しながら先を見越した調整をするようになりました。
他の人への作業依頼についても、作業内容を細分化し、手順などをきちんとまとめた上で依頼するようになるなど、事前準備への意識も変わりました。
また、テレワークとなり自宅で作業をする中で、机やイスなどの執務環境を整えることも、効率的に作業を行う上では大事な点だということも感じています。
テレワークを実施してみて、初めは不便だと感じることも徐々に慣れて、メリットを多く感じることができるようになりました。
テレワークを実施するための環境を整える必要はありますが、やると決めたらある程度の不便さがあっても継続していくことが重要だと感じました。
株式会社 計画情報研究所について
設立 | 1987年1月(昭和62年) |
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事業内容 | 建設コンサルタント、一級建築士事務所、測量業 |
本社所在地 | 金沢市駅西本町2-10-6 |
代表者 | 代表取締役会長 北原 良彦 代表取締役社長 安江 雪菜 |
ワーク・ライフ・バランスへの 取組 |
令和元年度金沢市はたらく人にやさしい事業所表彰 |
テレワーク導入の経緯や目的についてお聞かせください
2018年時点で2支店1分室、1サテライトオフィス、各地の勤務者は4名でした。
本社社員からのテレワークへのニーズはなかったものの、本社と支店・分室、サテライトオフィスがリモートになっている状況において、双方がコミュニケーションを取ったり連携することはいずれ必要になると感じ、今後の働き方の選択肢の一つとしてテレワークの準備をスタートさせました。
2018年 7月 |
第2回「テレワーク・デイズ」実施(7/23~27) |
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2018年 8月 |
テレワーク専門相談員派遣の依頼 |
2019年 7月 |
第3回「テレワーク・デイズ」実施 約1ヶ月半(7/22~9/6)の実施期間 |
2020年 1月 |
ノートPC入替えで、全社員がテレワークに参加できる環境へ |
2020年 4月 |
新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、原則在宅勤務を社員へ連絡 国の緊急事態宣言後は、総務・営業チームを2交代制とし、入札を止めない措置 |
「テレワーク・デイズ」の実施を通した経験が大きなきっかけになりました。
それまでは、自分達が実際にテレワークを行うというイメージは薄かったものの、少しずつ意識の中に”テレワーク”というフレーズが入ってきた気がします。
手探りで進める中で、社内アンケートを実施したり、実験的にリモート会議を行ったりと試行錯誤して取り組んだことを覚えています。
実際にテレワークをスタートさせるにあたって、労務管理、設備投資、環境整備など、課題はとても高い壁のように感じていたのですが、何を準備する必要があるのかをテレワーク専門相談員に相談したことにより、現実的に取り組んでいけそうだという気持ちに変化していきました。
導入にあたって準備されたこと、配慮されたことはありますか?
【ハード】
テレワークに必要な環境整備のために、下記のようなものを準備しました。
- クラウドサーバーの導入
- ノートPC
- スピーカーフォン、その他の機材
- テレワーク用モニター・カメラ等
【ソフト】
○企業風土
- みんなで協議して制度を作っていくような自由な社風や自己管理できる人材がベースとなっており、「自由と責任の風土」があったからこそ、テレワークを柔軟で多様な働き方の選択肢の一つとして受け入れることができたと感じています。
○制度
- 2020年4月にテレワーク規程を新設し、就業規則を改訂。
柔軟に対応できるような内容としました。
○社内のテレワークの状況
毎朝、時間を決めて全員でZoomミーテイングを行っています。
在宅勤務者を含むサテライトオフィス間との連携が取れています。Teamsなどのツールで作業内容をオープンにして「業務の見える化」を意識し、積極的にコミュニケーションをとっています。
その結果、コミュニケーションの回数が増え、業務の活性化につながっていると感じています。現在も、週1~3回程度のリモートワークを推奨しています。
○職場で配慮していること
リモート会議で使用する部屋・設備関係の予約を、スケジューラーで管理しています。
企業内・外でどのような反応がありますか?
【社内】
問題なく定着しつつあると感じています。
【社外】
対応可能な顧客間とのリモート会議、打合せなどはスムーズに行われており、特に大きな支障はないとの声を聞いています。
顧客の環境整備に差はありますが、徐々にリモート会議などが増えてきています。
テレワークを推進するメリットや今後の課題があればお聞かせください
【企業において】
ペーパレス化、会議・打合せ等の移動費のコストカットにつながっています。
災害時やパンデミック発生時の緊急対応には、平時からテレワークでの働き方に慣れることが重要だと感じています。
社内研修や推進スケジュールの明確化が必要であると感じています。
勤怠管理や予実管理は、現在の運用や方法でテレワークでも行えます。
今後は、スケジューラーなど他の独立するシステムとの連携を進めていき、見える化と効率化をさらに進めていく予定です
【社員のワーク・ライフ・バランスにおいて】
- 通勤時間の短縮、業務の効率化により、ワーク・ライフ・バランスを実現できていると感じています。
企業としてテレワークを導入した感想などがあればお聞かせください
社風にもよりますが、実際にテレワークを実施してみると、進んでしまえば思っていたよりも意外と力まずに実現可能だと感じました。
トップダウンではなく、上司を含め社員ひとりひとりが変化を恐れず取り組むことで、導入できたと思います。
今後は、テレワークという働き方に対しての環境整備の充実、業務の効率化によるワーク・ライフ・バランスの実現を推進していきたいと考えています。