身近な職場の活躍人材

本コーナーでは、市内の企業で活躍されている方を、様々な視点でご紹介していきます。

第1弾のキーワードは『女性活躍』です。

地元を離れ、夫の転勤先だった金沢で子育てと仕事の両立を実践。現在、老人福祉施設のセンター長として、利用者の方々に心地よい空間と時間を提供することに心を砕き、共に働く仲間たちのワークライフバランスにも心を配る、女性「イクボス」をご紹介します。

プロフィール

笠井 嘉子 さん
社会福祉法人 北伸福祉会
デイサービスセンター朱鷺の苑 彦三 センター長

出身 新潟県
現在 金沢市在住(平成元年に金沢へ移住)
平成10年 社会福祉法人 北伸福祉会 入社
平成17年 デイサービスセンター朱鷺の苑 醒ヶ井 センター長就任(女性で初)
平成23年~ 現職

■ 子育て期の金沢での働き方・暮らし方についてお聞かせください

結婚前は、地元である新潟県を離れ、学生時代に取得した保育士免許を活かし、保育所で勤めていました。

結婚を機に、夫の地元でもあった新潟に戻り、子どもが生まれてからは、夫の希望もあり、仕事を辞め、育児・家事を全て私が行っていました。

夫の転勤を機に、新潟を離れ金沢へ引っ越しました。長男が小学校入学、次男2歳のときでした。

金沢に引っ越してから、過去の経験を活かし、児童福祉施設で仕事に就きました。辞めてからブランクもあったので、育児と仕事の両立は大変でした。

その時の職場は、子どもが急に体調を崩しても早退や有給休暇を気軽に申請できなかったこともあり、仕事を優先せざるを得ない環境にありました。 

子育て中の女性の社会進出にはまだ成熟した考え方が通じない時代だったということもあったかもしれません。

当時の世間の風潮として、共働きだったとしても、育児、家事は全て女性が行うものという考え方が当たり前のように浸透していました。
仕事からの帰宅時間も遅く、子どもが熱を出しても職場から離れられず、寄り添ってあげることができませんでした。

子どもにはずっと不憫な思いをさせてきた。十分に触れあう事もできなかった…。
この思いが、ずっと今でもトラウマとなり、心の中から消えた事はありませんでした。
その経験もあり、私は現在の職場では、働くママの悩みに耳を傾け、急な休みにも子育て優先で配慮しています。

取材記者コメント

笠井様ご自身のご両親は既に他界されて、ご主人のご両親も近くに住まわれていないため、子どもが急病だからといってお世話してもらえる環境ではなかったことも苦労された理由の1つのようです。

ご自身が子育て期に苦労されていますので、女性が働きやすい環境を意識して職場づくりをされているという印象を受けました。

■子育て期の主な1日スケジュールはどのようなものでしたか。

毎朝5時に起きて、朝食準備や弁当作り、子どもを送り出す準備を行い、6時には仕事に出かけていました。

帰りは夜7時から8時に帰宅し、夕食準備、洗濯など家事に追われ、寝るのは毎晩 12時過ぎ。このような生活は、子どもが成人するまで続きました。

■そのような厳しい当時にあって、助けられたことなどはありませんか。

金沢に引っ越した当時は社宅住まいでした。

社宅住まいは社宅住まいで大変な面もありましたが、ご近所とのお付き合いの中で、発熱など子どもの緊急時に面倒を見てもらったりと、周りの温かい助け合いもあって精神的にも支えられた面も大きかったです。

■働く女性に対する思い・メッセージをお聞かせください

あらゆる分野で女性の進出はどんどん増えています。
しかし、その反面、女性は男性に比べて結婚、出産により、妻、そして母へと家庭では期待される役割も大きいと思います。
私の今の職場でも小さい子どもを抱えて仕事している職員もいますが、育児と仕事のはざまで悩みを抱えています。

働く女性が増えていく社会の中で、仕事と家庭を円満に両立できる女性がどれだけいるのか?

この問題は決して家庭だけで抱え込むものではないと思います。職場の同僚や上司に相談してみることはもちろんですが、安心して仕事に取り組める職場内の雰囲気と環境づくりも重要だと思います。

簡単に退職という選択肢ではなく、どうしたら仕事と家庭を両立できるかという観点から、社会全体で取り組んでいく必要もあるのではないかと思います。

働く女性自身も強い気持ちで、資格取得など目標を持って頑張ってほしいと思います。

■社会福祉法人 北伸福祉会 について

設立 1982(昭和57)年12月
事業内容 社会福祉事業(児童・老人福祉)
本部所在地 金沢市広岡2丁目1番7号
代表者 理事長 小松栄子
ワークライフバランスへの取組 平成28年度 金沢市はたらく人にやさしい事業所表彰 受賞

■北伸福祉会様の取り組み

(お話)常務理事 北本 裕靖 氏

【人材活用について】

性別に関係なく、人間性や能力に応じて、本人が望むキャリアアップができるシステムの構築が大切だと考えています。

女性の多い職場であり、管理職の女性割合も比較的高いのですが、センター長を担う女性はまだ少なく、笠井の様な活躍をめざす女性職員が今後増えてほしいと思っています。

【老人福祉事業について】

三世代家族の減少もあって、小さい頃から高齢者と接する機会が少なくなり、高齢者とのコミュニケーションの取り方がよくわからないという方が多くなっている様に感じます。
これに介護に対するマイナスイメージが加わり、介護職に就きたいと希望する方が少なくなっているのはとても残念です。

今ある介護のあり方が最適だとは限りません。
これからの職域分野として、福祉系学科をもつ大学などとも連携して、魅力ある職業、より働きやすい職場をめざしていきたいです。

■職場の皆さんから見た笠井さん

  • とにかく現場主義。
    職員の先頭に立って動き回っています。
  • 笑顔を絶やさず、辛いとき、忙しいときもそれを顔に出しません。
    センター長としてはもちろん、一人の人間としてリスペクトしています。
  • 明るい声と細やかな気遣いがやる気を起こさせてくれます。
  • 柔らかさと、強さ、厳しさ、行動力が私たち職員の指標となっていることで、明るく、緊張感を持った職場になっていると思います。